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Q21 後遺障害の期間

Q.私は交通事故の被害に遭い,いわゆるむち打ち症の症状が出ました。後遺障害の申請を出したところ,14級9号の認定が出ました。それを前提にして保険会社と損害賠償額の交渉をしていますが,保険会社は,後遺障害に基づく逸失利益が生じる期間を5年間として計算すると主張しています。これは法律的に正しい意見なのでしょうか。私の年齢は40歳です。

 

 交通事故の損害賠償の費目として,後遺障害が残存したことに対して,後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益が認められています。

 前者は,後遺障害が残ってしまったことで被害者が受ける精神的苦痛に対して手当てされる意味合いのものです。

 後者は,後遺障害が残ってしまったことによって被害者の労働能力に一部欠損が生じてしまい,そのことがひいては被害者が今後の人生で稼得することができる収入に減少が生じさせるという仮定的前提のもとに,その減少する収入分を補おうという意味合いのものです。つまり,人間を機械やロボットのように見立てて,後遺障害が残存したことを一種の機能低下ととらえ,そのせいで生産能力が減少⇒収入が低下する,という風に言い換えれば,分かりやすいかもしれません。

 後遺障害は,その具体的内容や程度に応じて等級ごとに区分されています。そして,等級ごとに,労働能力の欠損度合いをパーセンテージで定義しています。例えば,14級なら5%,12級なら14%となっています。

 交通事故発生時の被害者の年収を基準として,14級の後遺障害のケースでは,その基準年収額から5%の金額が今後減少していく,とみなします。

 そして,後遺障害というのは,基本的にその障害が今後一生涯残存するという(もはや現代医学では完治は望めない)ということが前提とされていますので,収入の減少は,一般に人が稼働できる年齢の上限である67歳までずっと続くものとして考えます。なお,67歳に間近い年齢の方や既に67歳を超えた方が交通事故に遭った場合の処理は,例外的な扱いになりますが,ここでは詳細は省略します。

 このようにして,基準年収,労働能力喪失率,67歳までの残存期間という要素によって,後遺障害逸失利益が決まりますが,ただし,将来発生する収入の減少分と全く同じ金額を今ただちに補填されるわけではなく,金利がつくことを勘案して現在価値に割り引いて計算し直します。

 ご質問のケースでは,後遺障害逸失利益が発生する期間を5年間と制限するという主張がされているとのことです。

 前述のとおり,後遺障害の残存期間は,67歳まであと何年かという考え方をするのが原則です。そういう意味で,現在40歳の質問者のケースでも,5年間に制限するのは理論的には不当と言えます。

 しかし,実務の世界では,むちうち症を理由とする後遺障害認定14級のケースで後遺障害残存期間を5年程度として計算することは,残念ながらよく見られます。示談交渉ではなく,民事訴訟を提起して,裁判所の公正な判断を仰いだとしても,同じような期間しか認められなかったという事例は数多くあります。

 これはなぜかというと,いくつかの理由がありますが,例えば以下のような見解があります。即ち,器質的損傷があることは他覚的所見(画像など)では確認できないのに,被害者本人の痛み等はずっと続いているという事態が,特にむち打ち症では多く見られ,こういうケースでは本来の交通事故に起因する器質的損傷以外の要因(社会的要因,家庭的要因,心因的要因等)が多少なりとも関わっていると考えられるところ,このようにして発生した損害を全て加害者に負担させるのは公平ではないという考え方があります。

 それ故,裁判所としても,具体的事案の解決に際して妥当な水準を考えたときに,後遺障害の残存期間を5年程度に制限するというやり方をとることがあるのだと思われます。

 なお,14級のケースだけに限らず,12級の認定を受けられたむち打ち症のケースでも,後遺障害残存期間を10年程度に制限されることは多くあります。

 しかし,14級のむち打ち症だと5年,12級のむち打ち症だと10年,と機械的に運用されているわけではなく,個々の事案に特有の事情を勘案して,そのような期間制限は不当だと代理人が主張して,実際にそれが裁判所でも認められたことも当然あります。

 例えば,明らかに神経損傷が疑われる症状を呈しており,その所見が他覚的にも確認できる(画像など)というケースでは,この後遺障害は一生涯残存すると考えることがむしろ自然であるので,通常の原則に基づいて67歳までの残存期間を主張するべきでしょう。

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