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Q14 過失割合について

Q.私は先日交通事故に遭い,怪我を負いました。車両も損傷を負いました。それで,加害者に損害賠償を請求しましたが,加害者は私にも不注意な面があったと主張して,過失割合は(加害者)3:(私)7であると言っています。私としては,(加害者)10:(私)0であると考えており,譲るつもりはありません。こういう場合,どのように解決することができるのでしょうか。

 

 まず初めに,過失割合とは何か,という点から説明いたします。

 民法709条に基づく不法行為の損害賠償請求をするに際して,被害者は自らに生じた損害額を加害者に請求できるのが原則になりますが,その損害額が100%認められないこともあります。なぜなら,我が国の法律及び判例では,「過失相殺」という概念が存在し,被害者にも一定の落ち度や不注意があったと認められる場合には,公平の理念に基づき,その分の損害額を割り引くという扱いがなされるからです。被害者の落ち度や不注意とは,例えば衝突事故の直前に被害者もスピードを出し過ぎていたとか,歩行者が赤信号を無視して横断中に轢かれてしまった,などが挙げられます。

 過失相殺による損害額の減額を決定するには,被害者に存在する落ち度や不注意(これを「過失」と呼びます。)の具体的内容を踏まえて,これを加害者の過失の具体的内容と比較して数字の割合に引き直すことが必要です。過失割合とは,このようにして両者の過失の具体的内容に基づき両者の過失を数字の割合で表現したものを言うのです。例えば,(被害者)1:(加害者)9のような形です。

 このようにして,仮に被害者に発生した損害額は全部で100万円だとしても,(被害者)1:(加害者)9の過失割合とされれば,被害者は自分の過失割合分=100万円×0.1=10万円が賠償額から減額されることになります。ですので,往々にして加害者は,賠償すべき損害額を抑制するために,自身に有利な過失割合の数値を主張するものであって,被害者の意見と大きく乖離することもしばしば有ります。

 では,このように損害賠償の金額を大きく左右することもあり得る過失割合の数字は,どのようにして決定されるのでしょうか。

 当然のことながら,何となくこれくらい相手が悪いだろうというような感覚論で決まるものではありません。実は,過失割合の数字というのは,これまでの膨大な裁判例の積み重ねにより,こういう状況で発生したケースではこの数字とする,というおおよその相場が既に形成されています。その相場を知るには,「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準[全訂5版] 別冊判例タイムズ38号 別冊38号」(出版:判例タイムズ社)という書籍にまとめられており,弁護士も裁判官も,この書籍に掲載されている相場を出発点として過失割合を考えます。この書籍は,別冊判タ,または緑の本(表紙が緑色なので)などと呼ぶことがありますが,以下では別冊判タと称します。

 ただ,裁判官も弁護士もその相場の数値を杓子定規に採用するわけではなく,当該事案における個別具体的な事情を踏まえて,若干の数値の修正をすることも有ります。ちなみに,どういう事情があればどの程度数値の修正をすればよいか,という点も,別冊判タにある程度解説されていますので,それを参考に検討します。

 さて,損害賠償額を決める上で過失割合を決定しなければならないとき,当事者がそれぞれいくつの数値を主張するかは,個々人の自由です。しかし,当事者同士の話し合いではお互いに折り合いがつかなかったとしたら,最終的には裁判所に訴えを提起して,裁判官の中立公正な判断によって過失割合を決めてもらうことになります。

 しかし,前述したとおり,裁判官も別冊判タに掲載されている割合の数値を出発点として判断しますから,過失割合がどのくらいの数値に収まるかは事前にある程度予想がつきます。仮に当事者の一方が主張する過失割合の数値が,別冊判タの相場から著しくかけ離れていたら,裁判になってからもその主張を維持することは困難です。

 ですので,裁判を長期間続けることや弁護士に支払う報酬の金額を一切気にしないというのであればともかく,そうでないのであれば,示談交渉の段階でもそれなりに相場を意識した過失割合の数値を主張することが,結局は自分の利益にかなうと言えるのではないでしょうか。

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